| ●ラブミーチャンは、いないけど 今年の東海公営３歳といえば、言うまでもなく昨年のＮＡＲ年度代表馬となったラブミーチャンの名前が真っ先に出てくるところなのだが、そのラブミーチャンは現在は北海道へ転戦中。 となれば、今年の東海ダービーは残った馬たちの敗者決定戦かと思われがちなのだが、今年はどうもラブミーチャンはいなくてもそれなりのレベルにありそうな東海公営の３歳勢。 特に牝馬は近年に比べても明らかにレベルが高い。 その筆頭に挙げられるのが笠松のエレーヌ。 今年から始まった、地方競馬の牝馬重賞を世代別にポイント制としてランキングをつけ年間の最優秀を決めるグランダム・ジャパン。 そのシリーズを狙ったかのように今年は笠松・名古屋・園田・水沢・佐賀と全国を転戦し今年に入って重賞を５勝。 ラブミーチャンとは直接対決はまだ一度もないものの、もしかしたら距離しだいではこちらのほうが強いかもという話も出てくるなかなかの大物。 この日の東海ダービーも牝馬ながら単勝は1.3倍の一番人気。 ファンとしても関係者としてもここはあくまで通過点。 この先の関東オークスや、来たるべきラブミーチャンとの直接対決までは負けてもらっては困るといったところか。 その自信の裏づけか、小回りで追い込み不利といわれる名古屋で、この日エレーヌが取った作戦はなんと後方待機策。 決して早いとは思えないペースでレースが進む中、二周目の３コーナーで一気のまくり。 そのままの勢いで４コーナーでは先頭に。 独走になるかと思ったが、最後は戸部のラッキーサンライズがわずかのところまで追い詰めるが、鞍上の筒井騎手はよほどの自信があったのか、ゴール手前で客席に向かって手を挙げる余裕を見せた。 いやぁ、見ていたこちらとしては、二番手の脚色も良かったんで、「えぇっ！ もうガッツポーズ？」ってくらいのタイミングで手を挙げたんでびっくりしたんですがねぇ。 着差以上の強さを乗っていた騎手はきっと感じたことなんでしょう。
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