| ●福永の出遅れ、幸の追い込み 例年に比べて温かい日が多く、あちこちで桜の開花が始まった三月の下旬。 しかし、週末は天候もあまり恵まれず、どちらかといえば肌寒い一日となった今年の高松宮記念。 当日もレース前に雨が降り始め、中京競馬場唯一のG1でありながら、お客さんの入りはややイマイチ。 まあ、お客さんの入りはばかりは現状のプログラムでは仕方のない事かも。 天気がよくても、ナイスネイチャの頃ほどの入場者は今後もたぶん無理だろうし。 あまり混んだ競馬場が好きではない自分としてはこれくらいのほうがちょうどいいとも思うけども。 さて、その高松宮記念。 前年の優勝馬、二着馬、三着馬が今年も出走するも、ドバイWCの日程と重なるため、スズカフェニックスとプリサイスマシーンの鞍上には武豊と安藤勝己の姿は無し。 これも日程の関係では仕方の無いことか。 前年に出ていない組ではキンシャサノキセキやローレルゲレイロが上位人気に推されるなど、なかなか今年も馬券としては難解な顔ぶれ。 「短距離は牝馬」の格言を笑うかのように、今年は牝馬の出走が一頭も無し。 これも記憶ではG1になってからは初めてのことだし、G2時代でもちょっと記憶にない。 覚えてるかぎり、G2時代はヒシアマゾン(1995)、スターバレリーナ(1994)、シスタートウショウ(1993)、キョウワホウセキ(1992)、ダイイチルビー(1991)、シンウインド(1990)、シヨノロマン(1989)が牝馬としては出走してた（しかもけっこう上位に来てる）はずだから少なくとも２０年ぶり以上のこれは大事件。 そんな、男ばかりの短距離大会の主役になるはずだったのは一番人気のスズカフェニックス。 ところが、スタートの瞬間に大きくつまづき後方からのレースに。 これには場内騒然となり、あのフラワーパーク事件を思い出した人も多数いたはず。 最後の直線、人気薄のフサイチリシャールが必死の粘りを見せるところにキンシャサノキセキとファイングレインが襲い掛かる。 絶望的な位置かと思われたスズカフェニックスも鬼のような脚を使い先頭に迫るが、少し届かず。 けっきょく、勝ったのはG１初勝利となるファイングレイン。 1200m戦では負けたことのないこの馬、ここ近年はスプリントもこなせるマイル馬が勝ってきた高松宮記念だったけども、ひさしぶりに1200専門のスペシャリストが登場か。
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