| ●１２月の東北へ 師走のみちのく路です。 もう遠くの山々はうっすらと雪化粧をしているけど、今年はまだかなり暖かいほうらしく、例年のこの時期ならば雪が降るのが当たり前で、晴天の良馬場で開催できるのはかなり珍しいとのこと。 それでもやっぱり寒いものは寒いです。 岩手県競馬は、盛岡のオーロパークには行ったことはあるんですが水沢に来たのはこれが初めて。 近代的な造りの盛岡競馬場に比べればいかにも地方競馬らしい小ぢんまりとした競馬場なんですが、さすがに寒い地方の競馬場らしくスタンド内の設備などは一級品。 とくにテレトラックと呼ばれる新スタンド内は地方競馬屈指の豪華さでしょう。 最近では赤字で廃止論争がおきている岩手競馬ですが、さすがは全国屈指の地方競馬のひとつ。 いろいろな面で他の公営競馬とは気合の入り方が違うのを感じます。 何と言ってもこの日のメインレースの名前にもなっているトウケイニセイらの名馬を輩出した地のことはあります。 トウケイニセイっていったら交流重賞の統一グレードが導入された頃の地方競馬を代表する名馬だったんで、中央のファンにも名前は知れてますよね。 今でこそ中央馬と地方馬の対決なんて当たり前かもしれないけど、交流重賞が創設されてすぐだった1995年の南部杯でのライブリマウントとの対決なんて本当に話題になったもんでした。 あの当時の公営競馬にあった熱って、今はどこに行っちゃったんでしょうね。 岩手競馬のオープン馬の特徴っていえば、地元の生え抜きで交流重賞級で活躍する馬と、中央でオープン級で活躍したあと移籍してくる馬ってのが顕著に分かれていて、この日のメンバーでいうならば地元生え抜きは一番人気のトニージェントが前者の、中央での重賞勝ちもある三番人気のトキオパーフェクトが後者の代表格。 交流重賞でなくてもこれくらいのレベルの馬が出ていれば地元のファンじゃなくても充分に楽しめる、そう思っていたのですが・・・！ スタート直後にトキオパーフェクトが落馬した瞬間、そんな気分は吹っ飛んでしまいました。 結果は一番人気のトニージェントが勝ち、二番人気のタイキシェンロンが２着のガチガチ決着。 昔の地方競馬だったら八百長騒ぎで暴動が起きてもおかしくない事件ですよ、これは。 やはらかに 柳あをめる 北上の 岸辺目に見ゆ 泣けとごとくに （石川啄木） 泣いたのは落馬したトキオパーフェクトか、馬券を買っていた自分だったか・・・
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